マンションの劣化個所を早期発見し、計画的な改修工事をご提案いたします。

マンションに想定外の劣化は付きもの
マンションは時の経過とともに劣化が進み、ゆっくりと老朽化していきます。それが経年劣化であり、どんな建物も経年劣化を防ぐことはできません。そのため、マンションが新築されると、一律の数値を用いて経年劣化による修繕時期を概算し、長期修繕計画を作成します。
しかし、長期修繕計画はあくまでも概算であり、さまざまな原因によって通常の経年劣化以上に早く傷みを生じてしまう事例も少なくはありません。
そこで重要になるのが、建物の劣化状況や目に見えない場所の不具合を専門家が診断する「建物調査診断」です。
建物調査診断が重要とされる理由
建物調査診断は、いわば人間の健康診断のようなものです。検査によって病気が早期に発見されれば、完治が可能なうえ、治療にかかる時間や費用を抑えることができます。ところが、自覚症状がないからと検査を怠っていると、治療がおよばない致命的な状況にまで病状が悪化し、膨大な治療費が必要になってしまう場合もあります。
これと同じように、建物調査診断はマンションの顕在化している劣化個所を発見するだけでなく、潜在的な劣化個所も発見することが可能です。その診断結果をもとに、概算で作成された長期修繕計画を見直すことで、現状に即した改修工事の時期、修繕方法、より正確な工事費用も算出できます。そして、劣化個所を適切に対処すれば、マンションの寿命を延ばすことができるばかりか、外壁タイルやモルタルの剥離落下などの事故を未然に防ぐこともできるのです。
専門スタッフが診断結果をわかりやすく解説
健康診断は医師が行うように、マンションの調査診断にも専門家が不可欠です。私たちアーバン・プランニングでは、管理組合様との入念な打ち合わせをしたうえで、ベテランの専門スタッフがマンションを徹底調査。調査結果は劣化の状況、修繕の時期や施工の優先順位などをまとめた『診断結果報告書』を作成するとともに、修繕工事の目的、方法、費用などの対策をご提案します。さらに、報告会などを実施する場合は、専門家の立場から調査診断結果をわかりやすく解説し、組合員の情報共有をサポートします。
建物調査診断の内容
建築関係の調査・診断
調査範囲
建物の共有部(外壁、バルコニー、屋上防水、付属建物等)
※屋内共用部については調査対象外とし、オプション調査となります。
調査方法
基本的に非破壊検査とし、正確な調査のため複数スタッフで行います。
1.複数スタッフによる目視確認
2.打診棒・打診ハンマーによる打診
3.触診
調査部位 調査内容
壁面関係 1.外壁
2.付属建物外壁面
※タイル貼り外壁面
1.塗装仕上げ面について、汚れ、ひび割れ、浮き、剥離、鉄筋露出
 などの状況、有無を調査し発生数量を推定把握する。
2.コンクリート等の下地の欠損、ひび割れ、白華現象などの状況を調査し発生数量を推定把握する。
※タイル貼り壁面について、汚れ、ひび割れ、浮き、欠落、その他押出し
 危険箇所などの状況、有無を調査し発生数量を推定把握する。
防水関係 1.屋上,屋根等
2.バルコニー床
3.付属建物屋根
4. シーリング(目地材)
1.露出防水層のふくれ、ひび割れ、浮き、破断等の状況、有無を調査し
 発生数量を推定把握する。(アスファルト防水、ウレタン防水共)
2.防水層コンクリート層で保護されているものについてはその
コンクリート層のひび割れ、浮き、破断などの状況を調査し、下層部に
 ある防水層の劣化状況を推定把握する。
3.シーリング材に発生しているひび割れ、剥離、破断,硬化等の状況。
配管関係 1.バルコニー等の手摺
2.各種扉
3.鉄製階段
4. 屋上等の各種配管
5.その他各種鉄製品
1.表面塗膜の色合いの変化、光沢度の低下、白亜化(表面塗膜の粉末化)
 の状況を調査し、発生範囲を推定把握する。
2.塗膜のふくれ、はがれ、割れの状況を調査し、発生範囲を推定。
3.鉄素材の錆び発生状況を調査し、発生範囲を推定把握する。
4.腐蝕の進行のよる鉄素材の孔食、欠損等の状況を調査し、発生範囲数量
 を推定把握する。
その他 塗膜付着力試験 現状塗膜材の付着力強度を測定し、基準値と比較する。
建研式を付着力測定器で測定(1棟4箇所)
コンクリート中性化試験 コンクリート等の下地の中性化進行度合い(深さ)を推定し、仕上げ材
の種類、経年に伴う基準値と比較する。
電動ドリルでコンクリートコアを抜き取り、検査溶液による化学反応
を測定(1棟4箇所)
※注意事項
バルコニー立ち上がり調査は全戸数の10%程度です。
調査の必要上、若干の水と電気、屋上・機械室の鍵を拝借します。
改修仕上材の数量積算のために竣工図、設計図書等を拝借します。
ゴンドラ調査/
チェアーゴンドラ調査
外壁タイルの浮きや劣化を打診棒で調査。部分調査の結果と過去の実績データとの比較から、劣化数量を算出します。
大型ゴンドラを使用する場合は調査面積が広く、実数に近い調査ができますが、調査コストがかかります。コスト優先ならばチェアーゴンドラやブランコによる調査も可能です。
外壁劣化の赤外線調査
水分が溜まっている部分が濃いオレンジ色に表示されます。該当部分の塗装やタイルは劣化している可能性があります。
バルコニー立入り検査
タイル、上裏、手すり、床の塗装、錆、防水などの状況を検査します。建物の立地条件や環境から選択した住戸のみの検査となりますが、外から入れないため、検査当日は各戸の玄関から入室させていただきます。
塗膜の付着力検査
外壁塗装の付着力を専用機器を使用して検査します。付着力が弱まっていると、雨や風などで塗料がはがれ、コンクリートの劣化を早めます。
コンクリート中性化検査
コンクリートを一部採取し、中性化の進行度を検査します。コンクリートの中性化が進むと、中の鉄筋の錆の原因となります。
調査診断報告書
調査結果を総合的に分析・診断し、データや写真とともに報告書にまとめます。
報告書は以下の内容で構成されます。
1.総合所見、部位別評価…現状の劣化程度、改修の必要等を文章と数値で評価します。
2.修繕標準仕様書案………建物の現況に適合した改修方法とその仕様を提示します。
3.改修工事概要案…………改修すべき内容(案)を一覧できる形にまとめます。
4.工事概算金額書…………修繕標準仕様書案の工事をする場合の概算費用を算出します。
5.リカバリー改修提案……「調査・診断」と「設計監理」を同時にご契約いただいた場合は、
             現在発生している劣化の予防や建物の不具合個所を改修するための
             提案を行います。
設備関係の調査・診断
調査方法
1.動作確認
2.目視
3.水質分析試験 ※オプション
4.内視鏡調査(CCDカメラを使用し、専有部枝管で実施) ※オプション
5.サンプル管測定検査(量水器付近専有部での枝管調査) ※オプション
6.管内閉塞率測定検査(上記枝管調査部分にて実施) ※オプション
調査部位 調査内容
給水装置 揚水ポンプ 性能劣化度の測定
使用期間、機械基礎の破損、水漏れ、衛生上の問題点
受水層 1.受水層・高置水槽
2.附属機器
性能劣化度の測定
使用期間、架台の発錆、水漏れ、衛生上の問題点
配管関係 1.配管
2.弁類
1.腐食の現状と進行状況の推定(配管材料)
2.内面腐食の概略性状の把握
3.配管浸食度の概略把握と配管母材の損傷部チェック
4.配管浸食度の定量化及び配管余命の推定
5.管内の閉塞状況を定量的に把握
6.劣化及び腐食の現状把握
7.量水器の使用期間、水漏れ、衛生上の問題点
1.調査診断報告書
・・・・・・・・現地調査で得られた各種データを分析し、総合的な所見をデータ、
        写真とともに報告書にまとめます。
2.修繕標準仕様書案
・・・・・・・・調査結果から判断した有効な修繕仕様案を提案します。
3.工事概算金額書
・・・・・・・・修繕標準仕様書案の工事をする場合の概算費用を、
        工事項目ごとに算出します。
 
設備関係調査診断の流れ 
診断の目的確認………理事会もしくは修繕委員会と打ち合わせします。
            図面及び修繕履歴の確認。
調査契約………………管理組合理事長名の診断依頼書を受領します。
予備調査………………目視を中心とした調査のための下調べです。
診断計画書作成………調査スケジュールや調査個所を設定します。
現地調査………………各戸に事前アンケートを配布します。
調査結果のまとめ
調査結果の評価、対策立案
診断報告書等の作成
診断結果の報告………調査報告会でのプロジェクターを用いた報告・解説も可能です。